一般的な建設工事と同様に建物の解体工事も様々な申請をしなければいけません。
手続きを適切に行わないと法律で罰せられたり、そもそも解体工事が施工できなかったりします。
今回は、解体工事に必要な手続きについて解体前に必要なものと解体後に必要なものに分けて解説します。
解体工事を行うにはどんな申請が必要?
解体工事を行うには解体工事の前後で必要な手続きがある点について冒頭でお話ししましたが、具体的にどのような手続きがあるのか紹介しましょう。
解体工事の前に必要な手続きとして次のようなものが挙げられます。
1・解体工事届出
2・道路使用許可申請と道路占用許可申請
3・ライフラインの停止手続き
(4・近隣説明会)※不要な場合もあります。
解体工事が終わった後も役所申請が必要なものがあり、それは次のものが挙げられます。
1・建物滅失登記申請
2・固定資産税に関連する手続き
ライフラインに対しては次の手続きをしましょう。
1・水道の停止手続き
これら2つの場面での手続きについて解説していきましょう。
解体工事前に行う申請
解体工事前に行う申請を解説します。
最初に行うのが解体工事届出の役所申請です。
建設リサイクル法では、80平方メートル以上の建物の解体時には、解体工事届出の申請を行うように義務付けられています。
しかも、解体工事業者ではなく、自分自身で出さなければいけない手続きなので必ず申請しましょう。
ただ、委任状を用意すれば解体工事業者が手続きしてくれますが、その場合は解体工事料金が上乗せされるので注意が必要です。
ちなみに必要なのは分別解体等の計画、案内図、設計図または写真、配置図、工程表で、自分だけで用意するのは困難なので業者に委任するか、業者から取り寄せましょう。
次に道路使用許可申請や道路占用許可申請は、解体工事を道路上で行う可能性がある場合に必要な役所申請です。
この申請は、解体工事を請け負った業者が行ってくれるので、特に何かする必要はありません。
役所手続きではありませんが、ライフラインの停止手続きも行いましょう。
電気やガスのほか、電話やネット回線、ケーブルテレビといったものです。
こちらは空き家の場合、電気が止まっていることが多いですが、電気が通っていると解体工事ができないのでしっかりやっておきましょう。
また、水道は解体工事で必要なので止める必要はありません。
近隣説明会は、大規模な解体工事をする場合に必要です。
騒音や振動などによって近隣住民とトラブルになるのを予防するためにあらかじめ予定しておきましょう。
ただ、形式があるので業者に聞いてみて必要であれば業者のアドバイスで行うのがおすすめです。
解体工事後の手続き
解体工事が終わっても手続きが必要です。
まず、建物滅失登記申請は解体後1ヶ月以内に法務局へ申請する役所申請です。
こちらは、自分たちで行いましょう。
建物滅失登記申請書や登記簿謄本、案内図、取り壊し証明書、業者の登記事項証明書と印鑑証明書を用意し、必要に応じて実印と印鑑証明を用意します。
分からない場合は、土地家屋調査士に申請を委任することも可能で3~5万円用意しておく必要があります。
固定資産税に関連する手続きも行います。
法務局や固定資産税担当へ相談し、手続きを進めましょう。
最後に水道の停止手続きをします。
水道は解体工事で必要なので契約を継続しておきますが、工事が終了したら停止手続きを進めましょう。
まとめ
解体工事の前後には様々な役所申請を行います。
しかし、その手続きは解体工事前と後でそれぞれ行う手続きが存在するので注意しましょう。
また、アスベストがある場合は、さらに手続きが増えるので、その場合は解体工事業者に相談して進めていくのがおすすめです。