建築物の解体工事は、振動や騒音と共に粉塵も問題になることが少なくありません。
特に古い建物や大きな建物を解体する場合、砂埃などの粉塵が飛散することも少なくありません。
さらに問題となるのが、解体した内容物にアスベストが含有している場合です。
アスベストは石綿ともいい、その飛散は環境破壊だけでなく健康被害ももたらす建材でもあります。
そこで今回は、解体工事における粉塵の飛散防止対策について解説し、アスベストの対策についても紹介します。
有効な飛散防止策の代表!解体工事の散水
解体工事現場でよく目にするのが散水です。
重機の洗浄をしながら解体工事をしているような印象を受けますが、実は飛散防止が最大の目的になります。
どのような解体工事を行ったとしても必ず粉塵が発生します。
そのどうしても発生する粉塵を水で湿らせることにより、発生量を減らすことが可能です。
すべての粉塵の飛散防止ができるというわけではありませんが、散水をするかしないかによって解体工事の粉塵の飛散量は大きく異なります。
一方で、散水をしないことによってほこりが多く発生し、粉塵の問題が起こりやすくなるため、晴天時の解体工事では散水が必須の作業といえます。
いくら作業に注意したとしても車の表面にほこりが付着したり、近隣の洗濯物が汚れたりといった影響が発生します。
そうならないためにも散水は重要な飛散防止策といえるでしょう。
養生シートも飛散防止策の有効な方法
養生シートも飛散防止策の有効な方法です。
養生シートを解体現場の周囲に張ることで、騒音だけでなく粉塵の飛散防止にも利用できます。
また、解体で発生する部材の飛散を防ぐこともできるので、安全対策としても有効な方法です。
このような理由から解体工事現場、特に市街地で解体工事を行う現場では必須の飛散防止策として用いられています。
アスベストの飛散防止策とは?
古い建物ではアスベストが大量に利用されていました。
その理由は、コストのわりに素材として機能性が高く建材として理想的な素材だったからです。
しかし、発がん性が指摘され、実際に肺がんをはじめとする多くの重大な疾患の原因になることが判明しました。
そのため、アスベストの飛散防止は、解体工事を行ううえで最も重要なこととして捉えられています。
このようにアスベストの飛散防止をするためには、事前に綿密な調査を行って、アスベストが使用されていないか調査を行います。
そして、アスベストがあるとわかったら、隔離を行ってアスベストを含有する建築物の解体のノウハウを持った専門業者を呼んだり、自社の専門スタッフが現場に派遣されます。
現場でアスベストの除去を行い、安全な状態にしていくのです。
この作業には作業基準が設定されており、それを守って解体工事を進めていきます。
調査では、使用されたアスベストの量や利用されている場所による3つのレベルからなる分類を行い、それぞれのレベルにとって最適な手法を選択することが重要です。
これまでの養生シートや散水といった対処法では、飛散を防ぎきれないので、独自の換気システムを設置し、外部にアスベストが飛散しないように徹底的な除去作業が行われます。
そのため、アスベストの有無によって解体工事のスケジュールが大幅に変化するということを知っておきましょう。
まとめ
騒音や振動と同様に、粉塵は解体工事でどうしても発生してしまうものです。
その粉塵を最小限に抑える対策について解説し、アスベストの含有する建材が内科を調査する話題にも触れました。
これらの対策を解体工事で日々行うことによって、解体工事の飛散防止として粉塵発生を最小限に抑えています。